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日商簿記3級は建設会社の事務員に役立つ?合格率・勉強法・建設業経理士との関係をまとめて解説

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建設会社の事務員として働き始めて、「とりあえず簿記3級から取りなさい」と言われたけれど、どのテキストを選べばいいか、本当に自分に必要な資格なのか、迷っていませんか?

「簿記3級 勉強法」「簿記3級 独学」と検索すると、たくさんの記事が見つかります。でも、そのほとんどは大学生や一般事務職に向けて書かれたもので、建設会社の事務員がいちばん知りたい「建設業経理士とどっちが先?」「経審(けいしん)に関係あるの?」という疑問には、なかなか答えてくれません。

その疑問、この記事でまとめて解決します。建設業の実務経験をもとに、「建設会社の事務員にとっての日商簿記3級」にしぼって、合格率・勉強法・テキスト選び・建設業経理士との関係まで解説します。読み終わるころには、「まず何をすればいいか」がはっきりしているはずです。

Contents
  1. 建設会社の事務員こそ、簿記3級から始めるべき理由
  2. 日商簿記3級の合格率・難易度——「30〜60%」の幅がある理由
  3. 仕事しながら合格できる?——勉強時間と学習スケジュールの現実
  4. テキストを選ぶ前に知っておきたいこと
  5. 日商簿記3級と建設業経理士——どちらを先に取ればいい?
  6. よくある質問(Q&A)
  7. まとめ——最初の1冊を手に取る前に、これだけ確認しておこう

建設会社の事務員こそ、簿記3級から始めるべき理由

「簿記3級を取って意味があるのかな」と感じるかもしれません。結論から言えば、建設会社の事務員こそ、日商簿記3級から始める価値があります。その理由を3つに分けて説明します。

「経審のために取れ」は正確ではない——でも無意味でもない

社長から「経審のために簿記を取っておいて」と言われた方は多いのではないでしょうか。

まず正直にお伝えすると、日商簿記3級は経審(経営事項審査=会社の信頼度を国が評価する審査)の加点対象にはなりません。経審で加点されるのは「建設業経理士2級以上」の資格です(常勤であることや、合格後5年以内または登録経理講習の受講が条件です)。

では社長の言葉が間違いかというと、そうとも言い切れません。社長が本当に求めているのは「数字がわかる事務員に育ってほしい」「経理の体制をしっかりさせたい」ということであり、その第一歩として日商簿記3級が適しているのです。日商簿記3級で会計の基礎を固めてから、建設業経理士2級を取得すれば、それが経審の加点につながります。つまり「経審のために取れ」という言葉の真意は、「まず簿記3級で土台を作り、その先の建設業経理士2級で経審に貢献してほしい」ということではないでしょうか。

会計ソフト入力・請求書処理が「なんとなく」から「わかって」できるようになる

実務では、入社して間もない時期から会計ソフトへの入力や請求書の発行を任されることが珍しくありません。「借方(かりかた)・貸方(かしかた)」という言葉の意味がわからないまま、マニュアルどおりに入力している方も多いのではないでしょうか。

日商簿記3級を学ぶと、こうした作業の「意味」がわかるようになります。たとえば——

  • 工事代金が振り込まれたとき、「これは売掛金(まだもらっていなかった代金)の回収だな」と理解できる
  • 材料費を支払ったとき、「これは費用として計上するんだ」と判断できる
  • 請求書を発行するとき、「売上が立つ」という感覚を持てるようになる

「なんとなくの入力」が「わかっての入力」に変わると、入力ミスが減ります。現場では、ミスを修正してもらう回数が減ったという声が実際にあります。

建設業経理士2級への最短ルートは、日商簿記3級が出発点

建設会社で事務員として評価されるうえで、最も強力な資格のひとつが「建設業経理士2級」です。この資格は経審の加点対象であり、会社にとって目に見えるメリットがあります。

ただし、建設業経理士2級は日商簿記の知識があることが前提の試験です。いきなり受けると、仕訳(しわけ=お金の動きを帳簿に記録するルール)の基礎から苦労することになります。

日商簿記3級で「仕訳の考え方」「勘定科目(お金の種類ごとにつけられた名前)の使い方」「損益計算書(もうけを計算した書類)や貸借対照表(会社の財産状況をまとめた書類)の構造」を先に理解しておくと、建設業経理士2級の学習に入ったとき、スムーズに進められます。

建設業経理士2級の難易度や具体的な勉強法については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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日商簿記3級の合格率・難易度——「30〜60%」の幅がある理由

合格率を調べると、サイトによって数字がバラバラで混乱しませんか? その理由を整理します。

統一試験とネット試験(CBT)で合格率が違う

日商簿記3級には、2つの受験方法があります。

項目統一試験ネット試験(CBT方式)
実施時期年3回(6月・11月・2月)各テストセンターで随時
試験時間60分60分
合格基準100点満点で70点以上同じ
合格率の傾向回によって20〜50%台と幅がある40%前後で比較的安定
合否発表後日試験直後にわかる

合格率に幅がある最大の理由は、統一試験は回ごとに問題の難易度が変わるためです。過去には67.2%(第157回)という高い回もあれば、約26%(第141回)という厳しい回もありました。一方、ネット試験はランダムに出題されるため、合格率は比較的安定しています。

「合格率40%」と聞くと不安になるかもしれませんが、これはすべての受験者(十分に勉強した人もそうでない人も含む)の数字です。しっかり準備すれば、合格は十分に手が届く範囲です。

難しいかどうかの正直な評価

正直に言えば、「簡単」とは言い切れません。特に簿記の勉強が初めてであれば、最初の1〜2週間は「借方・貸方」の概念に戸惑うのが普通です。

ただし、以下のような特徴があるため、仕事をしながらでも十分に挑戦できる資格です。

  • 出題範囲が限定されている(商業簿記のみ)
  • 第1問の仕訳問題(45点分)は、パターンを覚えれば得点しやすい
  • 試験時間60分と短めで、長時間の集中力は求められない
  • ネット試験なら、自分の準備が整ったタイミングで受験できる

「難しすぎる試験」ではなく、「きちんと勉強すれば受かる試験」というのが、実務経験者としての率直な評価です。

仕事しながら合格できる?——勉強時間と学習スケジュールの現実

独学なら100〜150時間が目安。建設業の繁忙期を避けて計画する

独学の場合、合格までに必要な時間は100〜150時間が一般的な目安です。1日1時間を確保できれば、3〜4か月で合格ラインに届きます。

建設業の事務員として意識してほしいのは、勉強スケジュールを立てるときに繁忙期を避けることです。

建設業の事務が忙しくなる時期は、おおむね以下のとおりです。

  • 決算月(3月・9月が多い):決算書類の準備で数字の確認作業が集中する
  • 経審申請の時期:決算後1〜2か月は経審の書類作成に追われる
  • 年度末(3月):工事の完成が集中し、請求・入金処理が増える

この時期に試験勉強まで詰め込むと、どちらも中途半端になりがちです。逆に、比較的落ち着く7〜8月や1月あたりに集中して勉強を進める計画を立てると、無理なく進められます。

ネット試験(CBT)なら「仕事が落ち着いた月」に受験できる

統一試験は6月・11月・2月の年3回しかなく、日程が合わないこともあります。その点、ネット試験(CBT方式)は大きな味方です。

テストセンターは全国に設置されており、自分の都合に合わせて受験日を選べます。「決算が終わって一段落した時期」「工事の閑散期に入ったタイミング」など、仕事のリズムに合わせた受験が可能です。

さらに、ネット試験は受験後すぐに合否がわかります。「結果を待つストレス」がないのも、忙しい事務員にとっては助かるポイントです。

ネット試験には一部休止期間(統一試験前後の1〜2週間)がありますので、受験日を決めるときは商工会議所の公式サイトで最新の日程を確認してください。

2027年度から出題範囲が変わる——今のうちに受験するメリット

見逃せない情報があります。2027年度以降、日商簿記3級の出題範囲が大きく変わる予定です。

手形・小切手関連の取引廃止に伴い、現在3級から削除される予定の論点がある一方、現在は2級の範囲となっている以下の論点が3級に新たに追加される予定です。

  • 定率法(減価償却の計算方法のひとつ)
  • 有形固定資産の除却と廃棄
  • 売上原価対立法(売上原価勘定による売上計上)

追加論点が加わると、勉強しなければならない内容が増え、合格のハードルが上がります。つまり、今の出題範囲のうちに受験したほうが有利です。

「いつか取ろう」と先延ばしにすると、その「いつか」には試験が難しくなっている可能性があります。受験を考えている方は、2026年度中の受験を視野に入れてみてください。

テキストを選ぶ前に知っておきたいこと

建設業固有の勘定科目は3級には出ない——でも基礎力は確実につく

「日商簿記3級に、未成工事支出金(工事が完成する前にかかった費用を一時的に記録する科目)や完成工事高(完成した工事の売上)は出てこない」と聞くと、「じゃあ建設業には意味がないのでは?」と感じるかもしれません。

しかし、建設業固有の勘定科目は、すべて一般的な簿記の考え方がベースになっています。たとえば——

  • 「未成工事支出金」は、一般簿記でいう「仕掛品」の建設業版
  • 「完成工事未収入金」は、一般簿記の「売掛金」に相当するもの
  • 「工事未払金」は、「買掛金」と同じ考え方

日商簿記3級で「売掛金」「買掛金」「仕掛品」の考え方を先に理解しておけば、建設業経理士の勉強に進んだときに「ああ、これは売掛金と同じ仕組みだな」とスムーズに理解できます。遠回りに見えて、実は最短ルートなのです。

建設業特有の勘定科目と工事原価の考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

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テキスト選び3つの基準

テキストが多すぎて迷ったら、以下の3つを基準に選んでみてください。

  1. 図やイラストが多く、文字ばかりのページが少ないこと
    勉強から長く離れている方が分厚い文字だらけのテキストを買うと、途中で止まってしまうことが多いです。図解やマンガで概念を説明しているものが最初の1冊には向いています。
  2. 練習問題が各章のすぐ後ろについていること
    「読んで終わり」ではなく、その場で手を動かせる構成になっているかどうかが大切です。仕訳は「手で書いて覚える」のが最も効果的です。
  3. スマホやアプリとの連携があること
    通勤時間や昼休みにスマホで復習できる仕組みがあると、建設業の事務仕事をしながらでもスキマ時間を使えます。動画講義やアプリ連動のあるテキストが増えていますので、チェックしてみてください。

主要テキスト比較(スッキリわかる・みんなが欲しかった・パブロフ流)

書店やネットでよく見かける定番テキスト3種類を比較します。

テキスト名出版社特徴こんな人に向いている
スッキリわかる日商簿記3級TAC出版マンガ形式のストーリーで概念を解説。薄めで取り組みやすい勉強に苦手意識がある方・短期間で合格したい方
みんなが欲しかった!簿記の教科書 3級TAC出版フルカラーで図解が豊富。網羅性が高いじっくり理解したい方・教科書タイプが好きな方
パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級翔泳社4コマ漫画と実践問題のセット。著者ブログ・アプリとの連携ありスマホ学習を活用したい方・独学で進めたい方

どのテキストも合格実績があるため、「自分が続けられそうかどうか」で選ぶのがいちばんです。書店で実際に数ページめくってみて、「これなら読めそう」と感じたものを選んでください。


テキストを選んだら、次の目標も決めておこう

3冊の中から「続けられそう」と思ったものを選んだら、次に考えてほしいのが「その先のルート」です。建設会社の事務員にとっての最終目標は、経審の加点対象になる建設業経理士2級の取得です。

日商簿記3級が土台になるとはいえ、建設業経理士2級の試験範囲・合格率・スケジュールはまったく異なります。テキストを買う前に「次の資格の全体像」をざっと把握しておくと、学習のモチベーションが格段に上がります。

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日商簿記3級と建設業経理士——どちらを先に取ればいい?

「3級→建設業経理士2級」が最短で最も効率的なルートである理由

建設会社の事務員として資格を取っていく場合、次の順序が最も効率的です。

ステップ1:日商簿記3級を取得する(3〜4か月)
→ 仕訳・勘定科目・財務諸表の基礎を身につける

ステップ2:建設業経理士2級を取得する(3〜4か月・120〜180時間が目安)
→ 建設業特有の会計処理を学び、経審の加点対象になる

このルートをおすすめする理由は3つあります。

  • 日商簿記3級は出題範囲が狭く、会計の「基本のき」を効率的に学べる
  • 建設業経理士2級は、日商簿記の知識があることを前提に設計されている
  • 日商簿記3級は試験機会が多く(ネット試験で随時受験可能)、短期間で合格できる

「建設業経理士3級から始める」という選択肢もありますが、建設業経理士3級は経審の加点対象外です。それなら、より知名度が高く汎用性もある日商簿記3級から入るほうが、時間の使い方として効率的です。

建設業経理士の1級・2級・3級の違いについては、こちらの記事で詳しくまとめています。

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建設業経理士2級と日商簿記2級の違い(混乱しがちなポイント)

「建設業経理士2級」と「日商簿記2級」は名前が似ていますが、別の資格です。混乱しやすいポイントを整理します。

項目建設業経理士2級日商簿記2級
実施団体建設業振興基金日本商工会議所
対象業種建設業に特化全業種共通
経審での加点あり(加点対象)なし
試験範囲建設業会計+原価計算商業簿記+工業簿記
試験回数年2回(9月・3月)年3回+ネット試験

建設会社で働くなら、建設業経理士2級のほうが会社への貢献度は高いです。ただし、日商簿記2級も持っていると転職時に有利になるため、余裕があれば両方取得する方もいます。

建設業経理士2級と日商簿記2級の詳しい比較は、こちらの記事をご覧ください。

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建設業の事務員としてどんな資格を取っていけばよいか、キャリア全体の見通しを知りたい方は、こちらの記事も参考になります。

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また、簿記以外に建設業事務員に役立つ資格もまとめていますので、あわせてチェックしてみてください。

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よくある質問(Q&A)

Q. 社長に「簿記3級を取れ」と言われたのは、経審の加点になるから?

答え:日商簿記3級は経審の加点対象ではありません。

経審(経営事項審査)で加点されるのは「建設業経理士2級以上」です。日商簿記3級を取っても、経審のスコアには直接反映されません。

ただし、社長の意図は「経理のことがわかる事務員になってほしい」ということである場合がほとんどです。日商簿記3級は建設業経理士2級の土台になるため、「まず3級、次に建設業経理士2級」という流れで取得すれば、最終的に経審への貢献も実現できます。

実務での注意点として、社長に「簿記3級は経審に直接は関係ないんですが、建設業経理士2級への土台として勉強したいと思います」と伝えると、会社側も納得感を持ちやすいです。

Q. ネット試験と統一試験、どちらを受ければいい?

答え:建設業の事務員には、ネット試験(CBT方式)がおすすめです。

統一試験は年3回しかなく、試験日が決算期や経審申請の時期と重なることがあります。一方、ネット試験はテストセンターで随時受験できるため、仕事が落ち着いた時期を選んで受験できます。

合格率もネット試験のほうが安定して高めの傾向があり、受験直後に合否がわかるのも精神的な負担が少ないです。

実務での注意点:ネット試験にも休止期間(統一試験前後の1〜2週間)があります。受験日を予約する前に、商工会議所の公式サイトで最新の日程を確認してください。

Q. 簿記3級を取れば、建設業の仕訳がすぐわかるようになる?

答え:建設業固有の仕訳がすぐにわかるようにはなりません。ただし、理解のスピードが格段に上がります。

日商簿記3級は商業簿記が対象で、「未成工事支出金」や「完成工事高」といった建設業固有の勘定科目は出てきません。

しかし、「売掛金」と「完成工事未収入金」は同じ考え方、「買掛金」と「工事未払金」も同じ考え方です。基本を理解してから建設業特有の用語を学ぶと、「名前が違うだけで仕組みは同じだ」とわかり、理解のスピードがまったく違います。

実務での注意点:簿記3級に合格した後、日々の業務で「この仕訳は簿記でいうとどれに当たるだろう?」と考える習慣をつけると、建設業の会計にも自然と慣れていきます。

Q. 勉強したことがない。仕事しながら独学は難しい?

答え:独学で合格している方はたくさんいます。ただし、計画的に進めることが大切です。

「勉強から何年も離れている」「机に向かうのが苦手」という方でも、1日30分〜1時間の積み重ねで合格できます。目安は100〜150時間です。

ポイントは、「一度に長時間やろうとしない」こと。通勤中にスマホアプリで復習し、帰宅後に30分だけテキストを進める——このペースで十分です。

実務での注意点:建設業の繁忙期(決算・年度末)に無理に勉強を詰め込むと、仕事にも勉強にも支障が出ます。閑散期を狙って集中的に取り組む計画を立てましょう。ネット試験なら受験日を自分で調整できるので、建設業の仕事のリズムに合わせやすいです。

Q. 建設業経理士2級を目指すなら、日商簿記2級も取らないといけない?

答え:必須ではありません。日商簿記3級から建設業経理士2級に進むことは可能です。

日商簿記2級の知識があれば建設業経理士2級の学習がさらにスムーズになりますが、日商簿記3級の基礎力があれば十分に挑戦できます。

「日商簿記3級→建設業経理士2級」のルートは、建設業に集中したい方にとっては最も効率的な道筋です。一方、将来的に建設業以外への転職も視野に入れている場合は、日商簿記2級もあわせて取っておくと選択肢が広がります。

実務での注意点:建設業経理士2級には原価計算(工事ごとのコストを計算すること)の出題があります。これは日商簿記2級の工業簿記と近い内容です。日商簿記3級から直接進む場合は、原価計算の部分を重点的に勉強する必要があります。


まとめ——最初の1冊を手に取る前に、これだけ確認しておこう

ここまでの内容を整理します。最初の1冊を買う前に、以下のポイントを確認しておきましょう。

  • 日商簿記3級は経審の加点対象ではない。ただし、建設業経理士2級への土台として価値がある
  • 合格率は試験形式で異なる。ネット試験のほうが安定して高く、受験時期も自分で選べる
  • 独学100〜150時間が目安。建設業の繁忙期を避けて、ネット試験で受験するのがおすすめ
  • 2027年度から出題範囲が変わる予定。今の範囲のうちに受験するほうが有利
  • テキストは「続けられそうかどうか」で選ぶ。図解が多く、練習問題がすぐ解ける構成のものを
  • 目指すべきルートは「日商簿記3級→建設業経理士2級」。これが建設業事務員にとっての最短距離

「資格の勉強なんて何年ぶりだろう」と不安を感じている方もいるかもしれません。でも、建設会社の事務員として日々こなしている業務——会計ソフトへの入力、請求書の処理、振込の確認——は、すべて簿記の知識とつながっています。勉強を始めると、「あ、これ仕事でやっていたことだ」と気づく瞬間が必ずあります。

まずは書店やネットで、気になったテキストを1冊手に取ってみてください。そして、ネット試験の会場を商工会議所の公式サイトで検索して、「ここで受けられるんだ」と確認するだけでも、気持ちが前に進みます。その1冊と、その1回の検索が、建設業事務員としてのキャリアを大きく前に進める第一歩になります。

次はこちら——勉強を始める前に確認しておきたい関連記事

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※ この記事の内容は2026年5月時点の情報に基づいています。日商簿記3級の出題範囲変更(2027年度予定)については、日本商工会議所の公式サイトで最新情報をご確認ください。法改正や制度変更により最新情報が異なる場合があります。

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 初めまして!「建設業経理と実務の教科書」ブログの筆者のだいせんです。 私はこれまで15年以上、建設業界で経理を中心に、契約業務・総務・採用など幅広い業務を経験してきました。建設業経理士1級や日商簿記検定1級を取得し、地元の工務店から全国規模の企業まで幅広く実務を積んでいます。その中で感じたのは、経理・事務担当者が「実務の疑問を気軽に相談できる相手が少ない」という現実です。教科書ではわかりにくいことや現場ごとに異なる対応が求められることも多く、安心して調べられる場所が必要だと考え、このブログを開設しました。経理や事務の基本解説から制度改正への対応、日々の業務改善のヒントまで、実務に役立つ情報をやさしく発信していきます。あなたの業務の一助となれば幸いです。
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