このブログの筆者について
キャリア・資格
広告

建設業経理士2級の難易度・勉強法・合格率【独学で合格できる?仕事しながらの3ヶ月プラン付き】

daisen

建設業経理士3級に合格して、次は2級……と思いながら、合格率を見てちょっとひるんでいませんか? 仕事しながら独学でいけるのか、結論から先にお伝えします。

2級も独学で十分合格できます。

ただし、3級までとはボリュームが違います。「なんとなく勉強する」では厳しいのも事実です。この記事では、合格率の正しい読み方から、仕事と両立できる3ヶ月の勉強スケジュール、実務経験が活きる論点と苦手になりやすい論点、そして合格後に必要な手続きまで、2級受験に必要な情報をひと通りまとめました。

「よし、今から始めよう」と思えるところまで、一緒に整理していきましょう。

Contents
  1. 建設業経理士2級の合格率は?「難しそう」の正体を数字で確認しよう
  2. 3級合格済みの方なら、独学で十分狙える難易度です
  3. 建設業経理士2級の勉強法:仕事しながら3ヶ月で合格するスケジュール
  4. 実務経験者が有利な論点・重点補強すべき論点
  5. テキスト・問題集は「スッキリ」か「パタ解き」の2択から選ぶ
  6. 建設業経理士2級を取ると会社の経審スコアが上がる
  7. 合格後にやること:登録経理講習から経審反映までの手続きフロー
  8. よくある質問(Q&A)
  9. まとめ

建設業経理士2級の合格率は?「難しそう」の正体を数字で確認しよう

「合格率30〜40%」と聞くと、「半分以上が落ちる試験」という印象を受けるかもしれません。でも、この数字の中身をよく見ると、必要以上に怖がらなくてよいことがわかります。

直近5回の合格率推移

回次実施時期受験者数合格率
第38回2026年3月公式未発表(発表待ち)
第37回2025年9月8,010人32.2%
第36回2025年3月9,014人47.2%
第35回2024年9月8,083人36.5%
第34回2024年3月8,920人47.7%

※第38回の合格率は公式発表後に更新します。最新データは建設業経理検定 過去の実施状況でご確認ください。

上期(9月)と下期(3月)、合格しやすいのはどちら?

データを見ると、下期(3月)のほうが受験者数が多く、合格率もやや高い傾向があります。一方、上期(9月)は受験者数がやや少なく、合格率が低い回もあります。

ただし、これは「9月のほうが難しい」という意味ではありません。下期は年度末に向けて会社から受験を促される方が多く、準備期間をしっかり確保した受験者の割合が増えるためと考えられます。

実務の観点から言えば、3月決算の会社が多い建設業では、決算業務と試験勉強が重なる3月試験より、9月試験のほうが勉強時間を確保しやすいというメリットがあります。どちらを選ぶかは、ご自身の会社の繁忙期と照らし合わせて判断するのがおすすめです。

合格率30〜40%という数字をどう読むか

この合格率には、「申し込んだものの勉強が間に合わず、ほぼ準備なしで受験した方」も含まれています。実務で忙しい建設業の方が多いため、十分な対策をせずに受験する方の割合は決して少なくありません。

実務の現場でも「とりあえず申し込んだけど、忙しくて勉強できなかった」という話はよく聞くのではないでしょうか。

つまり、テキストと過去問でしっかり対策した人に限れば、合格率はもっと高いと考えてよいでしょう。「3人に1人しか受からない」ではなく、「きちんと準備すれば受かる試験」というのが実態に近い見方です。

3級合格済みの方なら、独学で十分狙える難易度です

「3級は受かったけど、2級は別次元なのでは……」と感じている方も多いのではないでしょうか。結論として、3級の知識がある方にとって、2級はゼロから新しいことを学ぶ試験ではありません。

日商簿記2級との難易度比較

建設業経理士2級と日商簿記2級は、どちらも「2級」という名前がついていますが、試験の性質はかなり異なります。

比較項目建設業経理士2級日商簿記2級
出題範囲建設業会計に特化商業簿記+工業簿記の幅広い範囲
工業簿記建設業の原価計算のみ製造業全般の原価計算
連結会計出題されない出題される
出題パターン過去問の類似問題が多く、安定している近年は応用問題が増え、出題が多様化
合格率約30〜47%(回によって変動)約20〜30%(近年は変動が大きい)

日商簿記2級を持っている方であれば、建設業経理士2級は「科目名を建設業に読み替える」感覚で取り組めます。逆に、日商簿記の資格がなくても、建設業経理士3級の知識があれば十分にスタートできます。

建設業経理士2級の大きな特徴は、出題パターンが安定していることです。過去問を繰り返し解くことで「型」がつかめるため、対策がしやすい試験と言えます。

3級からのステップアップ:追加で学ぶ範囲はここだけ

3級で学んだ建設業特有の勘定科目(未成工事支出金、完成工事未収入金など)はそのまま2級でも使います。3級の知識に上乗せして学ぶ主な範囲は以下のとおりです。

  • 原価計算の深掘り:工事ごとの個別原価計算(材料費・労務費・外注費・経費の配賦(各工事への割り振り))。実務で工事台帳を扱っている方なら、考え方にはすでに馴染みがあるはずです
  • 精算表の作成:決算整理仕訳(減価償却・貸倒引当金の設定・経過勘定の処理など)を反映して精算表を完成させる問題。2級で初めて登場する分野です
  • 財務分析:財務諸表を使った各種比率の計算(流動比率、自己資本比率など)。経審(経営事項審査)の書類で似た数字を見たことがある方もいるかもしれません
  • 完成工事原価報告書の作成:原価の内訳を報告書の形式にまとめる問題

「まったく知らない分野」というよりは、「普段やっていることを試験の形式で問われる」という感覚に近いでしょう。ゼロからのスタートではない分、3級のときよりも取りかかりやすいと感じる方も多いです。

試験の出題構成と各問題の配点(第1問〜第5問)

2級の試験は100点満点で、70点以上が合格です。全5問で構成されており、各問の配点と内容は以下のとおりです。

大問出題内容配点
第1問仕訳問題(建設業特有の処理を含む)20点
第2問穴埋め・計算問題(原価計算・理論・財務分析など)20点
第3問建設業の財務諸表作成(完成工事原価報告書など)20点
第4問個別原価計算20点
第5問精算表の作成(決算整理)20点

注目すべきは、すべての大問が均等に20点ずつという点です。苦手な問題が1つあっても、残りの4問で十分カバーできます。「全問まんべんなく取る」のではなく、「確実に取れる問題から固める」という戦略が有効です。

実務で仕訳や工事台帳を日常的に扱っている方は、第1問・第3問・第4問で得点を稼ぎやすいです。第2問と第5問は「試験のための勉強」が必要になる分野なので、ここに多めの時間を振り分けるのが効率的です。

建設業経理士2級の勉強法:仕事しながら3ヶ月で合格するスケジュール

「そもそも何時間勉強すれば受かるのか」は、いちばん気になるところではないでしょうか。前提となる簿記の知識によって必要な時間は大きく変わります。

簿記知識レベル別の目安勉強時間

現在の知識レベル目安の勉強時間目安の勉強期間(1日1〜1.5時間の場合)
建設業経理士3級 合格済み100〜150時間約3ヶ月
日商簿記3級 合格済み120〜180時間約3〜4ヶ月
日商簿記2級 合格済み50〜80時間約1〜2ヶ月
簿記の資格なし(実務経験あり)150〜200時間約4〜5ヶ月
簿記の知識ゼロ200〜250時間約5〜6ヶ月

3級に合格済みの方であれば、1日1〜1.5時間の勉強を3ヶ月続ければ合格圏内に入ります。「毎日2時間」のような無理な計画を立てるより、確実に続けられるペースを守ることが大切です。

ひとり経理担当者向け:決算期を避けた3ヶ月スケジュール(9月試験・6〜8月想定)

建設業の事務担当者にとって、3月決算の時期(2〜4月)は繁忙期です。この時期に試験勉強を始めるのは現実的ではありません。9月試験(2026年9月13日)を目標にして、6月から勉強を開始するのがもっとも無理のないスケジュールです。

なお、2026年9月試験の申込受付は5月12日〜6月11日です。6月に入ったらまず申込を済ませてから勉強を始めましょう。

やること1日の目安時間ポイント
6月(1ヶ月目)テキストを1周読む。各章の例題を解きながら進める1〜1.5時間理解できない箇所があっても立ち止まらず、まず全体像をつかむ
7月(2ヶ月目)過去問を解き始める(直近5回分)。間違えた問題をテキストに戻って復習する1〜1.5時間最初は時間を気にせず解く。1回分を解くごとに「どの大問が弱いか」を記録しておく。得点しやすい第1問・第3問・第4問から先に仕上げる
8月(3ヶ月目)苦手な大問(第2問・第5問)を集中的に反復。過去問を本番と同じ制限時間で解く練習をする1.5〜2時間試験1週間前は新しい問題に手を出さず、間違えた問題の解き直しに集中する。過去問は最低5回分×2周が目安

※上記は「建設業経理士3級合格済み」の方を想定したスケジュールです。簿記の知識がない方は、5月から3級テキストの予習を始めておくと安心です。

スキマ時間の使い方

まとまった勉強時間が取れない日でも、工夫次第で積み重ねができます。

  • 通勤時間:テキストの「原価計算」「財務分析」の理論部分を読む(計算が不要な章を選ぶ)
  • 昼休み:仕訳問題を3〜5問だけ解く(第1問対策として非常に有効)
  • 就寝前の15分:その日に間違えた問題の解説を読み返す

「机に向かう時間」と「移動中・休憩中に読む時間」を分けて考えると、忙しい日でもゼロにはなりにくくなります。

実務経験者が有利な論点・重点補強すべき論点

建設業の経理を日常的に担当している方には、試験勉強において大きな強みがあります。一方で、実務だけでは身につきにくい分野もあります。メリハリをつけた勉強が合格への近道です。

毎日の仕訳がそのまま試験に出る:有利な論点(未成工事支出金・完成工事未収入金など)

普段の業務で扱っている建設業特有の勘定科目は、そのまま試験の第1問(仕訳問題)や第3問(財務諸表)に登場します。

実務経験が活きる論点の例:

  • 未成工事支出金(まだ完成していない工事にかかった費用を一時的に計上する勘定科目):工事台帳への入力で毎日触れているはずです。試験の第1問・第3問・第4問で必ず登場します。
あわせて読みたい
未成工事支出金とは?計上タイミング・仕訳・完成工事原価への振替まで図解で解説
未成工事支出金とは?計上タイミング・仕訳・完成工事原価への振替まで図解で解説
  • 完成工事未収入金(完成した工事の代金で、まだ入金されていないもの。一般会計の売掛金にあたります):請求書発行の業務と直結しています。
あわせて読みたい
「売掛金じゃダメなの?」完成工事未収入金との違い・仕訳・経審への影響まで一気にわかる
「売掛金じゃダメなの?」完成工事未収入金との違い・仕訳・経審への影響まで一気にわかる
  • 工事未払金(工事に関する外注費や材料費の未払い分。一般会計の買掛金にあたる科目):外注費の支払い処理で馴染みがあるでしょう
  • 未成工事受入金(工事完成前に受け取った前受金):入金管理の業務で扱っている方も多いはずです
  • 完成工事原価(工事が完成したときに振り替える原価):完成工事原価報告書の作成問題で出題されます

これらの科目は、テキストを開いた瞬間に「あ、これ毎日見ているやつだ」と気づくはずです。実務経験がない受験者が一から覚える必要がある内容を、すでに理解できている——これは非常に大きなアドバンテージです。

実務では身につかない論点を重点的に:精算表・財務分析の対策

一方で、以下の分野は日常業務ではあまり触れる機会がなく、意識的に勉強時間を割く必要があります。

  • 精算表の作成(第5問):決算整理仕訳(減価償却・貸倒引当金の設定・経過勘定の処理など)をまとめて行い、精算表を完成させる問題です。実務では会計ソフトが自動で処理してくれる部分なので、手書きで精算表を完成させる練習が欠かせません
  • 財務分析(第2問で出題されることがある):流動比率・固定長期適合率・自己資本比率などの計算です。経審の書類で似た数字を見たことがある方もいるかもしれません。
あわせて読みたい
建設業の特殊勘定科目4つを図解で一気に整理する
建設業の特殊勘定科目4つを図解で一気に整理する
  • 原価計算の配賦(第4問):工事間接費を各工事に配分(配賦)する計算です。会計ソフトの設定で自動配賦されている場合が多く、手計算の経験がないと戸惑いやすいポイントです

勉強のバランスとしては、得意な論点(実務で馴染みのある分野)は過去問演習で確認する程度にとどめ、苦手な論点に多くの時間を振り向けるのが効率的です。特に精算表は配点が20点あり、ここで得点できるかどうかが合否を分けることも珍しくありません。

テキスト・問題集は「スッキリ」か「パタ解き」の2択から選ぶ

建設業経理士2級のテキストは、書店に行くと何種類か並んでいますが、受験者に選ばれているのは大きく2つです。

2つのテキストの違いをひと言で言うと

  • 「スッキリわかる 建設業経理士2級」(TAC出版):テキストと問題集が一体型。読みながら解き進めるスタイルで、初めて2級に挑戦する方や、じっくり理解しながら進めたい方に向いています。3級で「スッキリ」を使った方なら、同じ構成でスムーズに学習を始められます
  • 「パタ解き(出題パターンと解き方 過去問題集)」(ネットスクール):過去問を出題パターン別に整理した問題集。ある程度の基礎知識がある方や、実践的にどんどん問題を解きたい方に向いています

どちらを選んでも合格は可能です。迷ったら、3級のときに使ったシリーズをそのまま使うのが、勉強のスタイルを変えずに済むため無理がありません。

なお、公式サイトでは過去問のPDFが無料でダウンロードできます(第10回〜第37回)。テキストで基礎を固めたあとは、公式の過去問も併用すると効果的です。

詳しい比較・筆者の体験談はこちら

それぞれの詳しい特徴や「どんな人にどちらが合うか」については、別の記事で掘り下げています。

どちらのテキストを選べばいい?

スッキリ(TAC)とパタ解き(ネットスクール)、それぞれの特徴・メリット・デメリットと「こんな人におすすめ」を詳しく比較した記事があります。筆者自身の勉強体験も交えて解説していますので、教材選びで迷っている方はこちらをご覧ください。

あわせて読みたい
建設業経理士2級 初心者におすすめテキスト比較【独学合格を目指すにはどれを選ぶべき?】
建設業経理士2級 初心者におすすめテキスト比較【独学合格を目指すにはどれを選ぶべき?】

建設業経理士2級を取ると会社の経審スコアが上がる

建設業経理士2級は、個人のスキルアップだけでなく、会社の経営事項審査(経審)のスコアに直接影響する資格です。ここが日商簿記など他の資格との大きな違いです。

経審のW点(社会性等評価)への具体的な影響と加点の仕組み

経営事項審査(経審)とは、公共工事を受注するために建設会社が受ける審査のことです。この審査にはいくつかの評価項目があり、そのうちW点(社会性等評価)の中に「公認会計士等数値」という項目があります。

建設業経理士2級の保有者は、この「公認会計士等数値」の計算において×0.4の係数でカウントされます。具体的には、1級・2級の保有者数を以下の式で合算した数値がW点の計算に用いられます。

公認会計士等数値 =(1級保有者数 × 1)+(2級保有者数 × 0.4)

つまり、経理担当者が2級を取得することで、会社が公共工事の入札で有利になる可能性があります。「自分が頑張ることで会社の点数が上がる」と考えると、勉強のモチベーションにもつながるのではないでしょうか。

「合格しただけでは加点されない」――登録経理講習の義務化(2021年改正)

ここで注意しなければならない重要なポイントがあります。2021年4月の制度改正により、建設業経理士2級の合格者が経審で加点対象となるには、「登録経理講習」を受講していることが条件になりました。

つまり、試験に合格しただけでは経審のスコアには反映されません。合格後に所定の講習を受講し、登録を完了させる必要があります。

この制度変更を知らずに「合格したのに経審に反映されなかった」というケースは、現場で実際に耳にします。合格がゴールではなく、講習の受講までをセットで考えておくことが大切です。

社長への説明材料:この資格1枚で会社にどんなメリットがあるか

受験を検討している段階で、会社(社長)に受験の意思を伝えておくのもひとつの方法です。説明材料としては、以下の点が有効です。

  • 経審のスコアが上がる:公共工事の受注機会が広がる可能性がある
  • 受験費用が比較的安い:受験料は7,120円(税込)で、スクールに通わなくてもテキスト代だけで済む
  • 業務の質が上がる:原価管理や財務分析の知識が身につき、経理業務の精度が向上する

「会社のためにもなる資格」という切り口で伝えると、受験料や勉強時間への理解を得やすくなるでしょう。

合格後にやること:登録経理講習から経審反映までの手続きフロー

試験に合格したあとの流れも、事前に把握しておくと安心です。

登録経理講習の申込・費用・受講方法

合格後、経審の加点対象となるためには「登録経理講習」の受講が必要です。

  • 実施団体:国土交通大臣の登録を受けた登録経理講習実施機関
  • 受講方法:オンライン(e-ラーニング)・会場映像配信・会場対面の3形態(実施機関による)
  • 費用:18,000円(税込)※再試験の場合は5,000円
  • 有効期限:5年間(5年ごとの更新受講が必要)

講習は合格後すぐに申し込めますので、合格発表を確認したら早めに手続きを進めましょう。

登録から経審に反映されるまでのステップ(チェックリスト)

経審への反映までの流れを、チェックリスト形式で整理します。

  • [ ] 建設業経理士2級の試験に合格する
  • [ ] 合格証書を受け取る
  • [ ] 登録経理講習に申し込む
  • [ ] 登録経理講習を受講・修了する(費用:18,000円)
  • [ ] 修了証を受け取る
  • [ ] 会社の経審申請担当者(または行政書士)に修了証のコピーを渡す
  • [ ] 次回の経審申請時に「公認会計士等数値」の欄に記載してもらう
  • [ ] 経審の結果通知書でW点への反映を確認する

実務では、経審の申請は行政書士に依頼している会社も多いです。その場合は、合格証書と講習修了証のコピーを行政書士に渡しておけば、手続きを進めてもらえます。

「合格して終わり」ではなく、ここまでがワンセットです。特に、経審の審査基準日より前に講習を修了しておく必要があるため、合格発表日→講習の受講可能時期→経審の審査基準日を事前に確認しておくとスムーズです。

よくある質問(Q&A)

Q. 簿記の資格がなくても独学で合格できますか?

A. 合格できます。ただし、勉強期間は長めに見積もってください。

簿記の基礎知識(仕訳のルール・貸借の考え方)がゼロの状態から始める場合、いきなり2級のテキストに取り組むと理解が追いつかないことがあります。

おすすめの方法は、まず建設業経理士3級のテキストで基礎を固めてから2級に進むことです。3級の勉強は1〜2ヶ月程度で終わるため、トータルの勉強期間は5〜6ヶ月を見込んでおくとよいでしょう。

なお、3級と2級は同日に併願受験することも可能です。「まとめて取ってしまいたい」という方は検討してみてください。

Q. 過去問だけで合格できる?テキストは必要ですか?

A. 日商簿記2級の知識がある方なら、過去問中心の勉強でも合格可能です。それ以外の方は、テキストとの併用をおすすめします。

建設業経理士2級は過去問と似た出題パターンが繰り返される傾向があります。そのため、過去問演習は非常に有効です。

ただし、建設業特有の勘定科目や原価計算の考え方は、テキストで一度体系的に理解しておかないと、「なぜこの仕訳になるのか」が腑に落ちないまま丸暗記になってしまうリスクがあります。

公式サイトで過去問PDFを無料ダウンロードできるので、テキストで基礎を学びながら過去問で実践する、という流れが安定した方法です。

Q. 9月と3月、どちらの試験を受けるべきですか?

A. 3月決算の会社にお勤めなら、9月試験がおすすめです。

3月試験は年度末と重なるため、決算業務で勉強時間が削られてしまう方が多いです。9月試験であれば、6月から3ヶ月間の勉強期間を確保でき、繁忙期を避けて集中できます。

ただし、会社の決算期が9月の場合は逆になります。「自分の会社の繁忙期はいつか」を基準に選ぶのがベストです。

試験は年2回ありますので、「次がある」と思えば気持ちにも余裕が生まれます。

Q. 一度落ちてしまいました。次回に向けた対策を教えてください

A. まず、どの大問で点を落としたかを振り返ることが最優先です。

建設業経理士2級は5つの大問が均等に20点ずつです。不合格だった場合、多くの方に共通するのは「特定の大問でほぼ得点できなかった」というパターンです。

次回に向けた具体的な対策は以下のとおりです。

  1. 自己採点の結果をもとに、得点が低かった大問を2つ以内に絞る
  2. その大問に対応するテキストの章を読み直す
  3. 過去問の同じ大問だけを5回分まとめて解き、出題パターンを把握する
  4. 本番と同じ制限時間で1回分の過去問を通しで解く練習を、試験前に最低3回は行う

一度受験した経験は、試験の雰囲気・時間配分の感覚として必ず活きます。「落ちた」ではなく「次回の下見をした」くらいの気持ちで、もう一度チャレンジしてみてください。

まとめ

建設業経理士2級は、合格率30〜40%台という数字だけを見ると「難しそう」と感じるかもしれませんが、3級に合格できた方であれば独学で十分に手が届く資格です。

この記事のポイントを振り返ります。

  • 合格率の数字には準備不足の受験者も含まれている:しっかり対策すれば合格できる試験
  • 3級からの上乗せ範囲は「原価計算・精算表・財務分析」が中心:まったく新しい分野ではない
  • 3級合格済みの方なら、1日1〜1.5時間×3ヶ月(約100〜150時間)が勉強時間の目安
  • 実務で使っている建設業特有の勘定科目は、そのまま試験に出る:大きなアドバンテージ
  • テキストは「スッキリ」か「パタ解き」の2択が定番
  • 合格後は登録経理講習(18,000円・5年更新)を受講することで、会社の経審スコア(W点)に反映される

3級に合格したときのことを思い出してみてください。最初は不安でも、テキストを開いて問題を解き始めたら、だんだんと手応えを感じられたのではないでしょうか。2級も同じです。

次の9月試験(2026年9月13日)の申込受付は5月12日から始まります。まずはテキストを1冊手に取るところから、今日の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

テキスト選びで迷っている方へ

「スッキリ」と「パタ解き」の詳細比較・筆者の実体験・購入リンクはこちらの記事にまとめています。

あわせて読みたい
建設業経理士2級 初心者におすすめテキスト比較【独学合格を目指すにはどれを選ぶべき?】
建設業経理士2級 初心者におすすめテキスト比較【独学合格を目指すにはどれを選ぶべき?】

※ この記事は2026年4月時点の情報にもとづいて作成しています。法令・制度は改正される場合がありますので、具体的な手続きについては必ず建設業振興基金または顧問の行政書士・税理士にご確認ください。

ABOUT ME
だいせん
だいせん
 初めまして!「建設業経理と実務の教科書」ブログの筆者のだいせんです。 私はこれまで15年以上、建設業界で経理を中心に、契約業務・総務・採用など幅広い業務を経験してきました。建設業経理士1級や日商簿記検定1級を取得し、地元の工務店から全国規模の企業まで幅広く実務を積んでいます。その中で感じたのは、経理・事務担当者が「実務の疑問を気軽に相談できる相手が少ない」という現実です。教科書ではわかりにくいことや現場ごとに異なる対応が求められることも多く、安心して調べられる場所が必要だと考え、このブログを開設しました。経理や事務の基本解説から制度改正への対応、日々の業務改善のヒントまで、実務に役立つ情報をやさしく発信していきます。あなたの業務の一助となれば幸いです。
記事URLをコピーしました